クラッチがすべる!!
(バリウス)





まだまだ調子が悪い快速通勤号。

前回に引き続き今回も不調。けど、これで終わりでは無いのです。
いつになれば快調になるのか????いつもヒヤヒヤさせられる、バイクです。


で、今回の症状は、題名にもあるように”クラッチがすべる”です。

サブ症状として、スピードメーターが回らない、タコメーターの電球が切れた。=夜間はメーターが役に立たない。
これは、スピードメターケーブルを交換して完了なので、本題に入ります。


快速通勤号はオークションで6000kmしか走行していない物を購入。一応、6000kmなんて信じてはいないが、前回のバイクと同じバリオスA5型と言うことで購入しました。バリオス2台で、旧バリから新バリに使える部品をすべて移植(できる範囲だけですが)。

とりあえず、走るようにはなりましたが、時々クラッチのすべりを感じてました。スタート時や、急加速時などでもあるが、滑ったり滑らなかったり、症状的には、いつ滑るかはっきりしない感じだった。
そこそこ乗っていると滑る時の状態が以下の2つだけはっきりしました。
  一つ目は、3速、18000回転くらいまで引っ張ると滑り出す。
  二つ目は、速度はあまり出ていないが、路面の段差で滑り出す。

けど、普通に乗る範囲では問題になることも無いので、2年もそのままで乗ってしまいました。

タイヤもバッテリーも、今年交換したのでまだまだ乗らないと勿体無いと思い、クラッチすべりへ手を出してしまったのです。

何時購入したか不明ですが、クラッチカバー用のガスケットは手元にあったので、オイル交換もかねて作業を開始。

まずはオイル交換。何時から使っているのだろう。交換した記憶がない。オイルパンは油まみれ。
クラッチカーバー周辺もオイル漏れの形跡あり。バイク屋のおっちゃんは、カワサキはオイル漏れは当たり前と。

どこかのHPには、オイル漏れはオイルが入っている証拠。問題なし。だって!!

 




クラッチレリーズ側のゴムブーツが裂けてます。ちなみに、これもバイク購入時からそのままです。






クラッチワイヤーも交換する予定なので、とりあえずワイヤーの確認です。ささくれもなく、まだまだ切れる心配は無いような状態です。







クラッチケーブルがのブラケットはクラッチカバーと共締めです。こう言ったケースの止めねじは、場所毎に長さが違うのがセオリーです。(自論ですが)で、外した2本のボルトを見ると、やはり長さが違ってます。

 




ネジの位置を間違えないように、外していく順番にダンボールの切れ端に、ズボズボ差し込んでいきます。こうすると、ボルトの位置がわからなくなることもありません。






クラッチカバーからケーブルが出ています。ちょっと、予想外。ケーブルがどこまで行っているのか?、手探りでは車体の中のほうに入っている感じだったので、バインダーでクラッチカバーを吊るしてケーブルに負担がかからないようにしておきます。






最初にガスケット剥がしから。スクレーパーで削り、オイルストーンで軽く磨いて見ました。
この状態では、特に異変は無かったと言うか....、あったのです。
カバーの中央に丸棒が見えますが、これがクラッチレリーズとつなっがって入るのですが、回り方がゴリゴリする感じなのです。一応ベアリングも入っているので、もう少しスムースに回っても良いのにと思いながら、本題のクラッチプレートの作業に入ります。






ネジ4本で固定されているパネル”クラッチオペレーティング....パネル”とでも言うのでしょうか?ネジを外すとクラッチスプリングが外れパネルがパカッって取れます。クラッチプレート、クラッチロッドを外します。






クラッチオペレーティング....パネルには、ベアリングが付いていますがスコスコ状態ですので、なくさないように。後は回りにガタが無いかの確認です。
クラッチスプリングは、使用限界32.6mm以上なのでOKです。
フリクションプレート(外にギザギザが着いた黒いプレート)は、使用限界2.5mm以上に対して、全枚数2.9mmでOKです。
クラッチプレート(内側にギザギザが着いたただの鉄板プレート)は、t=1.6とt2.0の2枚セットで装着されています。このプレートには使用限界がなく、測定した結果、それぞれ1.6と2.0mmピッタリありました。磨耗するような部品はないようです。

 




もしかして、クラッチ部分はすべて規定内で問題無しって事です。では、なぜクラッチが滑るの????

ちなみに、
左の少し写っているプレートは、外側から1枚ずつ外したもので、右側のいっぱいあるやつは、一番奥から一気にすべて抜き取ったものです。






とりあえず、問題も無い事より外した手順で組み立てます。
フリクションプレートの外の出っ張りには一部凹みが付いています。外すときに確認しておいた方向で取り付けます。






最後にクラッチカバーを取り付ける時、この丸棒”クラッチリリースコンプ”の回りがゴリゴリするので、よく見ると、

クラック発見!!!

このクラックの為に丸棒がスムースに回転できない状態になっていたのです。丸棒の上下にはベアリングも入っていますが、全く役に立たないほどなのでしょう!!
丸棒の先に爪があり、その爪でクラッチロッドを外に引き出す構造です。

クラック部分を手で押さえながら丸棒を抜きます。(本来なら簡単に丸棒はくるくる回って、簡単に抜けるみたいです)

ほぼ、犯人は確定です。クラッチカバーのひび割れにより、クラッチリリースコンプの動作が鈍く正常にクラッチが繋がらない状態になっていたのでは。と推測。






即効で、クラッチカバー、ベアリング(2個)、ダストカバー、クラッチリリースコンプを手配です。




部品入手後の作業は夕方から夜にかけての作業のため写真はありません。

元々のクラッチカバー内にあるプレートを外し、新品のクラッチカバーに取り付け、購入した部品をすべて組み付け、カバーの合わせ面を脱脂して、ガスケットと共にクラッチカバーを取り付けます。

原因がわかった時点で、クラッチワイヤーも交換しておいたので、後はレバー側、クラッチ側にワイヤーを取り付け、調整すれば終わりです。
最後にオイルを入れて完了です。今回は、手元の余っていたオイルをブレンドしました。カワサキ純正+カストロールGPS+カストロールR4レーシング。
カワサキ純正とカストロールGPS合計で1.5リットル程度はあまっていたので、捨てるにはもったいないので、ブレンドして使うことにしたのです。


油面調整と、クラッチカバーよりのオイル漏れの有無のチェックをして作業は完了です。



結果は、クラッチすべりは完全になくなりました。
これで、SSにも付いて行けるかも?????かな!!!!!





教訓:一般的な不具合でも、不良原因はいつも同じとは限らない。



[HOME] [こんな出来事 TOP]