ステムベアリングの交換 (GSX400S)
2014.10.26
以前よりハンドルのブレが気になっていたのですが....
たまたま行ったバイク屋でチラッと聞いた事があるんですが、両手を離してハンドルがぶれるの?と念を押すように聞き返され、
出た答えが”そんな曲芸みたいな事しなくてもいいんじゃない。ハンドルは両手で持とうよ”って言われてその日は納得して帰りましたよ!!
でも、やっぱりたまには曲芸みたいに両手を離す事もあるんですよね。
ハンドルのブレって、フレーム曲りの目安にもなるって言うし。ちょっと、直してみるかと。ひとつずつ要因を消していきます。
まあ、やってる事の半分はメンテナンスと同じですので、やってる作業は全く無駄になる事も無いのです。
まずは、フォークのオーバーホールもしてみたけど変化なしでした。
で、今回はステムベアリングの交換です。
最近止まる時に、カックンと来る事もある気がするので、何となくこれが当たるような気がしてましたが....
まずは、ジャッキアップですが、いつもはパンタグラフジャッキで3点で支えながら前輪を浮かす方法でしたが、今回は力技も出るかもしれないので
しっかりしたジャッキであげます。
アストロで購入したジャッキで、以前に乗っていたバリオスで良く使用していた物で、カタナでもそこそこ使えます。でも、サイドスタンドからの状態で
はじめるので最初は片手でバイクを垂直にしながら、スタンドをフレームの下にセットするんです。勢い余って反対にバイクを倒さないようにしないとで
すよ!!

タイヤを外して....サクサクと。

フォークも2本とも抜いて。
ハンドルなどがだらーんと。タンクに傷が付かないように注意はするけど、対策はしないんですよね!!

アンダープラケットのブレーキラインの分岐と、ホーンを外してフリーになるはずです。

トップブリッジのボルトを外せば、トップブリッジが外れます。その前に、メータを外すのをお忘れなく。

フックレンチ??でナットを緩めようとしたら、既にゆるゆるです。レンチは不要で手でクルクル回ります。まあ、そんなに締め付ける場所でもないので、
良いのかもしれませんが。

この写真は三又を下で落ちないように支えてます。で、ゆっくり下して三又を抜きます。

下側のベアリングですが、やっぱりグリスは少なめです。錆が発生する一歩手前的な感じです。

上側のベアリングもグリスは少なめですが、錆の気配もなくレースも綺麗です。
写真で縦線が見えますが、これはグリスの跡が見えるだけで、拭き取れば綺麗になります。

レースは圧入(打ち込み)されているのですが、フレームよりこれくらい出てます。長さを計るのを忘れてました。

下側は逆に引っこんでます。

レースを抜くのには、ベアリングプーラー(これもアストロかストレートツールです)をセットして、

ナットをクルクル回せば出てくるんですね。一発でこんなにうまくいったのは初めてです。
もう何回か使用しているので、
爪の先が丸くなって引っかかりが悪いのに。

綺麗に抜けましたよ!!

気持ち程度に無関係な場所までグリスが付いてます。

下側も同じくベアリングプーラーで抜くんですが、入り込んでる距離を測っておきます。約4mmです。

こっちも一発で抜けました。

三又に付いているベアリングを抜く為に買ってきました。200円程度のタガネ。
先っぽは結構鋭いです。

ゴンゴンする事、30秒。簡単にベアリングが抜けました。
よく見ると周りのプラスチック部分のみ取れただけです。肝心な物は残ってます。

これですね。どこから分割するのか解らないくらい密着してます。

ここをタガネと金づちでガンガン行きます。三又の方にも傷が付きまくりです。
これで、2mm位の隙間がやっと出来たって感じです。結構叩きまくってます。おそらく近所迷惑です。

徐々に隙間が広がって、5mmくらいでしょうか。
これくらいから、タガネで隙間を広げるのに限界が出てきます。今度はタガネをレースに直接当てて押し出すように叩きます。

これだけ抜けててもまだ取れないんです。もう、涙物ですよ。

やっとって感じで、ホットします。三又が傷ついてる個所はやすりで修正しておきます。

ここまで戦ってくれたタガネです。最初の鋭さは全くなくなってます。使い捨て感覚ですね。

これが新品です。純正品は使用せずに、ネットでベアリング屋さんのを購入します。格安ですからね。
ステム上:HR32005XJ 下:HR32006XJです。
ちなみに、ホイールベアリングは、F:6203DDU*2個 R:6303DDU*2個です。
これだけ購入しても、3000円でおつりがくるんですから。純正なんて買えませによね。

ココも一番の問題の場所、三又部を圧入するんです。写真の様に古いレースを付けて、金づちでコンコン叩きます。最初に入る所はゆっくり少しづつ入れて斜めに入らないように気を
付けます。そこそこ入ったら、ガッツンガッツン叩きまくります。その後がステムのシャフトに点々と傷が入ってしまいました。

シャフトの傷が無ければ隙間なく綺麗に入ってます。シャフトの傷は機能に全く関係ないので、そのままで。

レースをフレームに圧入するのは、ネジで締めこむ方法をしますが、いつも使用している四角いプレートでは下側の穴に引っかかってくれません。急遽適当な木材に穴を開けてストッパーとします。

上側のレースを入れます。新品の上に旧品をスペーサーとしておいて、ネジを締めます。
本来ならこれでうまく入るはずですが、なんだか斜めに入って行くのです。
もう面倒なので、プラハンでコツコツ叩いていれます。スペーサーは手で持っているので、手を叩く可能性もありますが、これが一番確実な感じがします。

取り外す前と同じぐらいの出っ張り具合になっています。

下側は最初からプラハンで叩いて入れてます。フレームから4mm奥に入っている事は確認済みですよ。

ベアリング部にグリスを入れるように付けます。この状態で、最後は周りに一周べったり付けて完了です。やり過ぎかな??

上側のベアリングは入れるだけなので、後はサクサクと組み立てます。

ホイールベアリングも10年は交換していないので、今回ついでに作業です。

ホイールベアリングを抜くツールです。と、新品のベアリングです。
純正は片側鉄のカバーで、もう片側はカバーなしです。
グリス漏れの可能性も高いので、使用するベアリングは内部のグリスが一番漏れずらいタイプ(両側プラスチックカバー(樹脂))です。
回りは少し重たくなるのですが、グリス切れで錆びるよりかはこっちの方がましです。

このプーラー。何回使ってもイマイチ使い方がはっきりしないのです。でも、抜けるので良しとしましょう。

新品と旧品の比較です。
新品をハンマーで打ち込んでみたのですが......。回転が重たいんですよ。よく見ると茶色の樹脂カバーの部分がへこみが見えます。打ち込む際にミスったのでしょう。新品を外して元のベアリングに戻して、ホイールベアリングは出直しです。

もう何回かやってる作業なので、楽勝で組み立てられます。

で、試乗の結果ですが、全く変化なしです。60−70kmあたりでハンドルがブレブレですね。もう、最後はタイヤ交換になるのかな??
また溝はあるんですが、3年も履いているんで交換もありでしょう!!
で、家に帰ってハンドルロックしようとするも、ロックの位置までキーが回らないのです。
トップブリッジにキーとハンドルロックの爪があるので、この取り付け位置が悪いのでしょう。最悪、ベアリングレースの打ち込み不足も考えられます。
すると、また全バラになる可能性も。
恐ろしく面倒なミスをしてしまいました。
また次回をお楽しみに!!
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