ノーマルキャブをセッティング(GSX400S)
〜エンジンの始動性が良くなるキャブセッティング〜
2020.03.01
仕事の休憩中などに、バイク関連のblogを色々と見ているのですが、カタナをよく扱うblogに目が行くもので、、、、、
で、数あるblogの中でも、神戸宝塚にあるレッドヤードさんの”スズキカタナをバイク屋主人が大人の事情抜きでブッタ切ります”には、
レアなネタですが、GSX400Sカタナのエンジン、車体の分解整備が記事となって保存されているのです。
(2015年頃に更新された記事で、”カタナ400 エアクリ交換でパワーアップ作戦”)
凄く貴重なデータで400カタナ乗りとしては永久保存版です。
その中で、ノーマルキャブは一度始動に失敗すると再始動が難しいと言われて、ノーマルのジェットセッティングの値が公表されているのです。
エアークリーナーは、250カタナ用の吸入口がデカいタイプで、マフラーはヨシムラドラックサイクロン仕様となっています。
MJ 110
PJ 40
JN ノーマル クリップ位置1番上
PS 1+1/4
です。
この後のブログにて、PJが35や、37.5に変更されていますが、すべてのblogを読めてはいないので、SJ以外も変更されているかもしれませんが、
取りあえず、このあたりの番手を参考にセッティングしてみましょう。(ただ交換するだけですが....)
折角セッティングデータがあるので、手持ちのジェット類を優先して交換するジェットを選びます。
PJのみ番手が下がりましたが、結果的にこの値で組んでみます。さて、どうなる事でしょうか!!
MJ 110 ‥‥‥ 新規で購入
PJ 39 ‥‥‥ keysterキャブレター燃調キットの余り品より
JN ノーマル クリップ位置1番上
PS 1+1/4
さぁ、やってみましょう!!
最初はタンクを降ろして。

エアクリーナーのバンドを緩めて、エアクリーナーを最大限に後ろにずらします。

インシュレータ側のバンドを緩めて、キャブレターをフリーにします。

キャブレターを左側に抜きますが、チョークケーブルを外すのを忘れないように。
途中まで抜けたら、スロットルワイヤーケーブルを2本外しておきます。

はい、抜けました。
でも、まだガソリンを抜いていないので傾き注意です。

キャブの中のガソリンを抽出して、ガソリンタンクに戻してやりましょう。

キャブの中を開けますが、今回は部品(ジェット)の交換のみで特に何もしません。
2,3年前にキースターの部品でオーバーホールしてますので、多少の汚れを掃除する程度にとどめておきます。

キャブのネジは可能な限り、プラスネジからヘックスボルト(六角穴付きボルト)に交換済みです。ネジ舐め防止!!
ここの小さなOリングは、無くさないようにしてください。
キャブの同調を取る時に使用する通路になっているのですが、ここから2次エアを吸い込むと調子がスコブル悪くなりますから。

軽くばらしましょう。


ガソリンが溜まる所には、やっぱり少しゴミがありますね。

フロートは変色していますが、キャブ本体は結構綺麗です。

キースターの燃調セットです。
手持ちでは、GSX400Sカタナ用と、GSX-R1100W用の余った部品がいっぱいありますが、今回使用できるのは、PJの39番のみです。
燃調セットって、ノーマルの前後のジェットも付属しているんですが、セッティング作業が出来ないのでノーマル以外は全て余剰パーツです。


ジェッティング作業?に取り掛かります。
まずは、ジェットニードルのクリップ位置の変更です。ノーマルの3段目より一番上に上げます。
写真左(3段目)と、写真右(一番上)


段数を変更したニードルジェットをピストンの中に入れます。
このEリングの上に白くて丸いリングパーツを入れて、スプリングをセットします。

順番がメチャクチャですが、パイロットスクリューの戻しを変更します。
最後まで閉めて、1+1/4回転戻します。ノーマルと言うか元は2回転戻しになっていました。
ジェットニードルと一緒で、薄くなる方向になりますね。
→→→→

メインジェットとパイトロットジェットはこんな形の物で、交換するだけなので細かい写真はありません。
交換場所は赤矢印です。

はい、作業は完了です。

メインジェットは110番を予定していたんですが、キースターの燃調セットでは最高でも96番しかなかったのでキタコで購入しました。
1個約500円が4個で2000円。パーツ代が高いし、バイク用品店ではあまり扱っていないので直ぐには入手できないので、ジェット交換もなかなか不便な作業です。

一週間ぶりにキャブを車体に戻します。

アクセルワイヤーを仮に取り付けてキャブを組み込みます。

この状態でアクセルワイヤーを締め込もうと思ったのですが、全く工具が入らず.....

キャブを引っ張り出してケーブルは固定しました。
GSX-R1100Wはキャブをずらさなくても、アクセルワイヤーの固定は出来た実績があるんですですけね。

キャブ固定のバンドを締める前に、インシュレータ、エアクリーナーのゴムにちゃんと入っている事を確認します。
両サイドの1,4気筒は良く見えるから解りやすいけど、2,3気筒は中に入っているからチェックするのも、入れるのも大変ですが頑張りましょう。

チョークワイヤーの付け忘れは、キャブ取付ではあるあるですね。

エアクリーナーを250カタナ用に変えます。(250カタナは吸入口が広くて、400カタナは吸入口が狭くなっているのです)
K&Nの純正タイプのエアクリーナーは吸入口にアダプタが付いてて、広くも狭くもすぐに変更できます。

一瞬で250カタナ用のエアクリーナーに変わります。

最近清掃をした記憶がなかったので、恐る恐る見るもまあ綺麗な感じなのでこのまま使用します。
一度洗うと乾燥時間などで一週間は乗れなくなるのでね。

全ての作業完了です。

ガソリンタンクを乗せた後の最後の確認作業ですが、ガソリンをキャブに通した後ドレンボルトを緩めて、ガソリンが出てくる事をチェックします。
ガソリンが入っていないとエンジンはかからないからね!

ジェット交換が完了して初のエンジン始動です。
エンジンの始動性が良くなるジェット番手なので、ドキドキです。
結果、全然エンジンはかかりません。アイドルアジャストを回す事でアイドリング出来ました。キャブばらした時にはアイドル関係は触っていないのですが....
この日は一度エンジンがかかったので始動性の良さの確認は出来なかったのですが、この作業より一週間後にエンジン始動を試みると結構あっさり始動しました。
以前よりセルを回す時間も短めで、エンジン始動後もエンストしそうになる事もないので、なかなか良いセッティングだと思います。

このセッティングは始動性が良くなる事ともう一つ、ノーマルキャブが「ちょっとしたFCR」に変わるのです。
エンジン始動後のマフラー音に重低音が増してちょっといい音に変わりました。このカタナにはヨシムラサイクロンが付いていますが、初期型?(中間パイプとサイレンサーが一体式)なので、
マフラー音はノーマル??と思えるほどに静かなのです。
この静かなマフラーに重低音がプラスされ気持ちのいい音になりました。
「ちょっとしたFCR」ですが、以前付けていたヨシムラTMR-MJNほどの加速感はありませんが、ノーマルより一回り、二回りパワーが上がった感じです。
取り付けた日の試乗と、その一週間後に乗った時も同じようにパワーアップ感があったので間違えはありません。
街乗りから高速まで全く問題なく走れます。あとは、燃費が良くなれば完璧ですよね.....
後日になりますが、
街乗り:19.76km
高速 :21kmくらい
と、なって今までより燃費も良くなったような気がします。
※今まで燃費を計算した事がほぼ無いので、信ぴょう性はないのですが.....

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