キャブレター オーバーホール





2018/4/28

さかのぼること数か月前、エンジンの始動性が悪くなってきたので、プラグを交換したんです。
その時、キャブのオイル滲みやオイルラインよりのオイル漏れがあるのは知っていたのですが、すぐに終わるプラグだけ交換したんです。


この後に事件が....



プラグ交換後のエンジン始動(セルを回してる時)で軽くアフターファイヤーが”ボォン、ボォン”と出てエンジンがかからず。

その後、チョークを引いて再度セルを回すと、強烈な音で”パーン!!!!!”。

近くを歩いてた人が、手で耳をふさいで私の方を睨んで行くぐらいの、炸裂音と言うか(リアルな)鉄砲の発射音のような、近所迷惑を通り越した音です。

2,3回強烈なアフターが出た後にエンジンは無事にかかり、少し走ることに。

プラグ交換でエンジンはよく回るようになった感じで、走りは全く問題ありません。

一旦エンジンを切った後の再始動で、またもやアフターファイヤーが発生して全くエンジンがかかる気配がない状態に。

周りの人の視線を感じながら、10分くらいかけて、キュルキュル&パーン!!!!!、パーン!!!!!を繰り返し、やっとエンジンがかかりそのまま一気に帰宅出来ましたが、

その後、エンジンをかける事はなくなり



しばらく放置.... . . . .  .  .  .




しばらくして、取りあえず再度新品プラグと交換してみて、意を決してセルを回すと結構すんなりエンジンがかかりました。
アフターファイヤーもなくて一安心。

でも、音がおかしい。エキマニにパーツクリーナを吹きかけると、3気筒目が冷たいままです。

久しぶりに、キャブのオーバーホールを実施してみましょう。


で、前置きが長くなりましたが、ここからがキャブオーバーホールです。












既に車体よりおろして、部品も結構外してる状態からスタートしてます。

 






数年前にも分解清掃はしているのですが、今回は初めてですが連結を外して各気筒をバラバラにします。








このガソリンラインの交換をしたいのです。








1気筒目はガソリン漏れによる汚れと思いますが、この部分が結構酷いです。

 






バルブも1,4気筒目が汚いですね。

 






連結バーを2本外せば、簡単にバラバラになるんです。
でも、連結バーのネジが数本固着してて、電動インパクトでもネジ頭を舐めてしまいました。タガネでいろいろ試しましたが、結局ショックドライバーで取り外し出来ました。
固定する時はキャップボルト(六角ボルト)に交換必須ですね。

   






ガソリンホースの部分です。キャブ側のゴムは割れて危機一髪な感じです。

 






4個すべて取り外しましたが、全く使い物にならないレベルです。今までガソリンが漏れなかったのが不思議な嫌いです。
今回交換して良かったです。

 






この汚れも綺麗にしてあげましょう。パーツクリーナーと歯ブラシで磨いても良いのですが、今回は洗浄液でゴシゴシして洗います。

 






新サンエス・K1です。ネットで買えば安く買えるのですが、急に思いついたのでアストロ店舗で購入して、800円くらいしました。
これを50〜60度程度のぬるま湯に入れて、パーツを漬け洗いします。








長くは付けていないのですが、結構綺麗になってます。

 






隅の方には多少汚れが残ってますが、これはパールクリーナーでゴシゴシしましょう。








水分などはエアーブロー出来ればいいのですが、コンプレッサーが無いのでシュッシュ(ホーザン製)で水分を飛ばします。








キャブ内部の部品はキースターの燃調キットを購入し一気に解決して、その他は右側の純正パーツ6種類を準備しました。








連結部分を新品パーツを使ってつなげます。

 






1と2、3と4は繋がっていますが、1-2と3-4は見た目だけでちゃんとは繋がっていません。








連結バーを取り付けてやっと4連になります。この時の固定ネジはキャップボルトを使用します。
ネジ代だけで1000円くらい。ネジも高いですね。








最近よく見てるファクトリーまめしばさんのブログでは、キャブの連結後は4個がちゃんと整列してる事が大前提らしいです。
ポンと組んだだけですけど、整列は出てると思います。








同調は目視でやります。裏からLED照明を当てて、隙間の感じを見たり、スロー系の穴の位置を確認したりして合わせます。
個人的にはこれでOKと思っていますが。

 






キャブを組んでる時に発見してしまいました。チョーク系の真鍮パイプが付け根より外れてプラプラしてます。








たまたま手元にJ・Bウエルドが在ったのでこれで固定します。これってパテですよね。まあ、約に立ってくれるでしょう。

 






大丈夫と思うのですが....
最悪でも、チョークを使わないと問題ないので軽く考えて作業してます。








これからはキースターの燃調キットを使ってOHします。燃調キットって名前だけあって、ジェット類は数タイプが準備されています。
番手を変える事はないので純正の一種類で良いのですが。
この車種にはチョークプランジャも入っていますので、お得かもしれません。

 






チョークプランジャのゴムの部分に亀裂があったので、部品を手配してグレーの部品が届きました。








元々のチョークプランジャをばらすと、こんな感じにゴム部分は別部品になっているんです。初めて知りました。








割れが見つかったパーツはこれですが、








購入した部品(灰色が新品)には付いていないと言うか、手配漏れが判明。(パーツリストから読み取れませんでした)








これらのパーツを全て交換しましょう。
ほとんどの部品が入っていると思います。フロート一式があれば最高なのですが....

 






ここのOリングはパーツリストにも載っていないはずなのです。ちゃんと入っているって凄いです。
キースターのセットでは、Oリングは全て交換できますよ。








フロート部分のOリング、各ジェットなどなど新品を付けましょう。
パイロットスクリューは全閉めより2回転戻しにしてます。ノーマルとは違うと思いますが。








ドレンスクリューを付けようとねじ込みますが途中で止まってネジが入らないのです。 良くネジ部分を見ると、ネジ山が潰れてます。2本も。ちょっと品質に問題がありますよね。クレームを言って交換してもらうのも面倒なので古い部品をそのまま使います。








写真はないが、ニードルジェット、ワッシャーなどを入れてスプリングをセット。ワッシャーなどはパーツリストを見て順番を再確認しておきます。








チョーク以外はこれで完成です。

 






今までで交換した部品です。
キースターの燃調キットがほとんどですが、以前カタナのキャブもキースターの部品でオーバーホールしたのですが、その後の調子は最高に良かったんです。
だから、今回もすごく期待してるんです。








真ん中のゴムの部品が追加で購入したものです。チョーク系よりエアを吸う事もあり得るのでシッカリ対策をしますよ。








はい、出来上がりです。








このプランジャの先端のゴムが大事らしいです。ゴムが硬化したりすると、密着性が悪くなり調子が悪くなるそうです。(受け売りです)
新品部品が無い場合もあるので、要注意ですよ!








これで、本当の完成です。
今回は結構ばらしていますが、アイドリングスクリュウーのネジだけは全く触らずです。理由は、エンジンを始動した時に急激に高回転になったりするのが 困るからです。大した理由でもありませんが....








ホース類はガソリンホースのみ交換して、すべて終わりです。








車体に取り付けてエンジンがかかるか、アフターファイヤーが出ないか、緊張しながらセルを回します。
2,3回セルを回しながら、アイドリングスクリューも回して、やっとエンジンがかかりました。

が、排気音がバラバラです。エキマニにパーツクリーナーをかけるも極端に温度が低い場所は無いのに、1気筒死んでるような音がするんです。
今回キャブを全バラしたので、やっぱり同調をしないとだめなのか?
仕方ないので、部品を揃えましょう。

 






今後何回使うのか???ですが、ストレート製の一番高いメータを購入。コンパクトで収納ケースも付いているので、保管が便利なのでこれを購入です。








キャブの負圧取り出し口にホースを取り付けて








小さめの1リットルのガソリンタンクも準備して、こんな感じでセッティングです。

 






目視同調でもそれほどズレはないですよね。








こんな感じで実際には調整してます。
最初に、1と2気筒を合わせて、次に3と4気筒を。最後に1,2と3,4を合わせますが、ここでぴったり来ないのもです。
同じ作業を何回かして納得のいく範囲に調整します








1,2と3,4を合わせる時は、こんな隙間よりドライバーを入れないと調整が出来ません。ドライバーもこれくらいの長さがぴったりですが、写真では解りませんよね!!
ちなみに何をするにも、このサーモスタットとお水のパイプが邪魔なんですよ。いつか後期用の配管、取り回しに交換したいものです。








まあこんなもんでしょう!!

で、排気音ですが、バラバラ感がほぼなくなり綺麗にふけ上がるようになりました。
少し走ってみましたが、トルクもあっていい感じにエンジンが回ってると思います。  てか、思いたいのかもしれませんが.....








負圧取り出し口のゴムキャップ、リングもついでに新品に交換です。いい値段するんですけどね。








と、こんな感じです。 この画像にはキャップ以外にも新品に交換した物が映ってるので、次回のHPネタにしましょう。




で、最終的にはアフターファイヤーが出る以前の状態と比べると、微妙な感じです。

エンジンが冷えてる時はアクセルを急に開けるとゴボ付くこともあるのですが、ある程度温まれば問題なくなるので、今回はこれ以上触りません。

すこし、アクセルが重い感じがるので、アクセルワイヤーの掃除と注油を車体に取り付けたままでやってしまおうと計画中です。

走れるようになった事、エンジンが一発でかかるようになった事、成果は十分です。





<参考>パーツナンバーと金額
 購入日  車種  場所  品名 型番  統合型番 単価  必要数   備考
2018/04/15  刀/R  キャブ  キャップ   13508-17C00    338  4  キャブ負圧取出口
2018/04/15  R  キャブ  クリップ  13671-05A40    102  4  上記キャップのクリップ
2018/04/15  R  キャブ  ホルダー  13418-17C10    636  4  チョークプランジャホルダー
2018/04/15  R  キャブ  ニップル ガソリンライン  13685-44B00    707  2  
2018/04/15  R  キャブ  シール ガソリンライン  13673-44B00    184  4  
2018/04/15  R  キャブ  ホース  13684-20C10    410  2
2018/04/15  R  キャブ  ガソリンホース  09352-70103-600    338  2  600mm
2018/04/19  R  キャブ  キャップ スターター  13418-17C00    194  4  チョークプランジャキャップ
※セール期間中に購入したので5%引きとなっています。金額は参考程度にしてください。








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