ハイテンションコードの交換(ULTRA シリコンパワープラグコード)






時はさかのぼること、先月のツーリングでの出来事でした。


いつも快適にエンジンがかかる我がRW。

が、昼食後の出発時に....。

セルでエンジンは目を覚ましたような感じだけど、何らや排気音がいつもと違う。
アイドリングも頼り無い感じがする。

もしかして、これが一発死んだ状態なのか??(恥ずかしながら、一発死んだ状態の判断ができません)

数回アクセルをあおってやると、いつものアイドリングに戻った。ホッと一安心。

この時以降は同じ状態は発生していませんが、何やら嫌な気分なのです。



で、春のメンテナンスとしてキャブの清掃をしてみる事にしたのと、ついでに16年間一度も交換をした事の無い、ハイテンションコード(プラグコード)を交換してみようかと。
これで、直ればいいなと少し期待を持ってます。


ハイテンションコードと言えば”NGK パワーケーブル”や”SplitFire ツインコア プラグ コード”、”NOLOGY ホットワイヤー”等がが有名ですが....。

純正と同じようなプラグとの接触方法がイヤなんです。

どんなのかと言うと、プラグの頭のねじの部分にガリガリガリッって入るような感じのタイプです。今まで弄ってきたバイクは全てこの方式。

外す時も外しずらいし、入れる時がもう大変!!なかなか入ってくれるもんではありません。

水冷ってプラグがエンジンの奥の方に入っているので、なかなか力が伝わらずに苦労するんです。


前置きが長くなりましたが、自分の希望にピッタリ一致したのと、昔々車弄りをしていた頃によく耳にした、永井電子さんのULTRA シリコンパワープラグコードに 決定です。一応二輪の適合表にもGSX-R1100W(93〜)と記載がありますし、一番気になってた、プラグの頭は丸いプラグ頭部端子を取り付けて、カポッてはめるタイプです。 (車はこのタイプが多かったような気がします)


ネットで直ぐに注文し、適合表をじっくり眺めてると、分解式のIGコイルでないとダメと記載があります。
http://www.nagaidenshi.co.jp/PLUG/bike/bike.pdf
バリオスは適合表と全く同じ形をした分解式だったのを覚えていますが、GSX-Rはどうだったのか??覚えていません。

今まで撮影した写真を全てチェックすると、パッと見では分解式には見えません。ネットでの注文は受注発注なので、キャンセルは不可となってます。
仕方ないので、自分のIGコイルの写真を添付して質問してみました。

最初の頃は、なかなかハッキリした回答は得られませんでしたが、最終的にはきっぱりとGSX-R1100WのIGコイルは分解式です。と言われたので、とりあえず作業開始です。






キャブ掃除の為に既に取り外してます。








1番、4番のコイルです。              2番、3番はラジエターキャップの奥にありほとんど姿が見えません。

 






プラグケーブルを抜く時は位置もこの方法です。取り付け時も基本こんな感じでテコの原理と頭をフルに使って押し込みます。








プラグホールの上に砂があります。当然中にも入っているのでしょう。








外したケーブルはカチカチで、曲がったまま真っ直ぐにはなりません。








プラグキャップを全て外し、プラグホール内の掃除をします。以前にも書いたような気はしますが、本来コンプレサーのエアーで吹き飛ばすのですが、あまりコンプレッサーは使用 したくないので、プラグホール専用アタッチメントを繋いだ掃除機で穴の中をゴシゴシ吸い取ってしまいます。
アタッチメントは、水道ホースを斜めにカットした物ですから、直ぐに作れますよ。特許もとってませんから....。

 






外したプラグをチェック。が、全くうまく撮れてません。








LEDで照らしながらの撮影です。右から1番です。
1,2,4番は良い感じでしょうか。でも、3番はくすぶっている感じです。3番が怪しいですが、原因は?

 






ちょい、ピンボケ。新品との比較です。
ちなみに、プラグは良さも分からないまま、いつも使用しているイリジウムCR9EIXです。







ここから本題のコイルを外します。1,4番は直ぐに外せますが、2,3番は。
サーモスタットの固定ボルトを外すことで程度の隙間は出来ます。でも、やっとソケットが入る程度です。

 






ボルトを外してコイルを持ち上げると、”カラン、カラン”と金属の落ちる音が。
ボルトに入っていたスペーサーが落っこちてしまいました。







一つ目はラジエター裏側の上です。が、もう一つがなかなか見当たりません。
仕事がら落としたねじ類は見つかるまで探すのが基本ですので。







クーラントを少し抜いて、サーモスタットも取り外し探し続けます。
なかなかすっきりしてて、メンテもしやすそうです。後期型のサーモスタットを移植してみようかと密かに....。







で、結局ラジエターファンカバーの中にありました。
一生懸命に探した時に限って、簡単な場所に落ちてるもんなんです。いつも。
でも、これで作業が再開できます。







取り外したコイルです。プラグケーブルはカチカチで太い針金のような固さになってます。
コイルの部分は爪があるので分解式にも見えるのですが....

ちなみにプラグコードで検索したら、同じタイプのコイルにプラグケーブルを付け替えるHPが見つかりました。
そこには、ケーブルが内部で接着されてて、コイルをノコで少しずつ切って交換してました。

爪を外して見ないとなんとも言えません。

 






右側のコイルのみ爪を外してみました。ちょっとケーブルも抜けてきます。ちょっと引っ張るとケーブルがスルスルーっと。

 






スッポン って、綺麗にケーブルが抜けました。接着されてなくて一安心です。
永井電子さんは、ここまで確認をしてたのでしょうか??永井電子さんのメールには爪の部分が熱で固くなりほぼ折れてしまうので、取り付け時には 抜けないような工夫をしてくださいと。

永井電子さんを疑った私の負けです。







プラスチックとケーブルの間に細いマイナスドライバーを突っ込みゆっくりケーブルを抜きます。ここで、プラスチックが割れたらお終いですから。
プラスチックにはケーブルの抜け防止も着いてます。これをコイルに入れると自然と爪がケーブルに食い込んで抜けなるなるんです。
これは、完全に分解式ですね。

 






作業中はこんな感じです。















今回使用する、ULTRA シリコンパワープラグコードです。一応GSX-R1100と書いてありますが、注文では93年〜となってました。 車種専用なので、ケーブルの長さが4本とも違います。
ダストカバーも付いてます。プラグホールに合うかどうかは実際に付けてみないと。

 

ULTRA シリコンパワープラグコード(GSX-R1100 93〜)の仕様
長さは?(プラグソケットの頭の曲がった場所から長さを測定しました。下に写真がありますが、ノーマルのソケットの長さがちょうど曲がった所になるので)
・52cm  ・41.5cm  ・41cm  ・31.5cm  です。

では、ノーマルのプラグコードの長さは?(コイルに刺さったままケーブルの長さのみ測定)
#1:51cm   #2:21cm   #3:31cm   #4:42cm
コイルの中のケーブルの長さが約2cmなので、それぞれ+2cmの長さが必要です。

#1、#4は少し短いですが、・52cm・41.5cmをそのまま使用します。#2、#3は、それぞれ必要な長さに23cmと33cmにカットしてます。
車種専用ならもう少し長さを合わせて欲しいものです。






一番大事な、プラグ頭部端子です。とパッケージ裏面の説明と性能曲線です。さすが、永井電子。バイク用のプラグなのに、ロードスターの性能曲線の説明が。
コード自体、車用、バイク用同じなのかもしれません。







ノーマルとULTRAの違いです。頭の曲がった部分が、どうなるのか曲者です。







ULTRA シリコンパワープラグコードは純正と同じ直径が7mmですので、なんの加工もせずに取り付け出来ます。
分解した逆の手順で取り付けます。

 






取り付け完了です。プラグを引っ張っても抜けることはありません。でも、爪が外れると.....。スポッといく事も...。

 






プラ部には、プラグ頭部端子を取り付けます。一応プライヤーでギュっと締め付けます。抜けないように!!







宣伝では無いのですが、ULTRA シリコンパワープラグコードの特徴です。







車体への取り付けです。プラグは焼き付き防止の為、グリスを付けてます。新品取り付けの場合は、最後の締め付けは1/2回転です。







取り付けは、不要な物を取り除いているので、そこそこ簡単です。でも、2,3番コイルのスペーサーはなんとも。
今回も一個落下しましたから。

 






#2、#3は純正と同じ長さに(本当は+1cm)してるので、綺麗に収まってます。頭の曲がりもなかなか良い感じです。







ダストカバーも良い感じに取り付けられました。

 






#2、#3に比べ、#1、#4は少し短いような。特に#4はキャブを取り付けるとどうなるか心配です。最悪、コイルの向きを変更する必要があるかもです。

 






横から見ても、頭の曲がり具合が良い感じですが、カウルを付けると全く見えなくなるのでしょう。







最後の仕上げに、サーモスタットを取り付けます。
よく見ると、#2、#3プラグコードの上にハーネス、サーモスタットが通っているので、プラグコードの自由度が極端に少なくなってます。







プラグコードをサーモの上を通しましたが、#3のケーブルが少し曲がりがきつくなってます。







サービルマニュアルには、プラグコードの取り回しと、サーモスタットの取り回しの絵はあるのですが、2つまとめた配線図がないのです。
それぞれの配線を良く見て考えると、こんな感じになりました。
#2、#3のプラグコードは抜きづらいが、仕方のない事でしょう。







一応、プラグコードをプラグの交換は完了です。まだ、キャブがないので、試乗はまだ先になりそうです。



これで、不具合が直れば良いのですが.....。再現性が少ないので直ぐには判断できそうもないです。





コイルのチェックをした結果を御参考に!!

ノーマル
 一時側の抵抗(コイルの平端子−平端子で測定):規定2.4〜3.2Ω
  #1、#4:2.7Ω
  #2、#3:2.8Ω
 二次側の抵抗(プラグキャップ−プラグキャップで測定):規定30k〜40kΩ
  #1、#4:34.8kΩ
  #2、#3:33.9kΩ

測定結果は良好ですが、このケーブルがあと何年持つのかを考えると、交換して正解でしょう!!


ULTRA シリコンパワープラグコード
 二次側の抵抗(プラグキャップ−プラグキャップで測定)
  #1、#4:16.9kΩ
  #2、#3:16.3kΩ

ノーマルに比べ半分以下の抵抗に。火花が力強くなるのでしょう。










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