PICでウィンカー(ハザード、ポジション付き)(その4)



前回に、

>>残るは、ブツを作るだけです。スイッチボックスのコネクタ変更もしないと。

と、言ったのが遥か昔のような。
ブツを作るのにちょっと時間がかかりましたが、スイッチボックスのコネクタ変更を決意するのには更に時間がかかってしまいました。

なんせ、ノーマルハーネスのコネクタを切り取って他のコネクタに変える=完全ノーマルには二度と戻らない。


まあ、いつの日かバイクを売却する事が無い限り、完全ノーマルに戻らなくても別に問題はないのですが、やっぱり勇気は必要です。







まずは、ブツを作ります。部品は完全に揃っているので何時でも決行可能状態です。
前回の(その3)図面を見ながら部品を配置して基盤の裏表より配線します。

ここで、図面ミスを発見!!
たいした事は無いのですが、ハザードスイッチは最初は線を1本出してスイッチを通してマイナスに落とす方法を考えていたのに図面はそうなっていません。
12Vをスイッチによって入力するようになってます。と言うことは、ハザード用のスイッチ用に配線を2本出してスイッチを取り付けるようになります。配線が一本 増えるだけですが、面倒な事です。
で、図面を修正です。
(PICのソフトは変更はありません)







基盤を出来るだけ小さくしたかったのでFETや三端子レギュレータは立てたままで実装です。熱くなる事は無いのでヒートシンクも不要です。
配線も電源(+12V)は赤、信号ラインは白、グランドラインは緑と色分けしていますが、肝心な外部との接続用の配線は全て黒の0.85スケを使用しています。
外部との接続用の配線は、安く上げるために貰い物なので贅沢は言えません。(ノーマルの用に色分けできれば良いのですがね......)

基盤の左:電源12V入力、ハザードスイッチ用1本、グランド。 
   中:各ウィンカーへ接続。 
   左:ハザードスイッチ用1本、ウィンカースイッチ左右で2本。  となっています。

出来れば、テプラなどでマーキングしてやりたいものです。一年後には何の配線だったか???となるのは目に見えてますから。







裏面です。お恥ずかしい半田です。







基盤をボックスに入れます。当然基盤はボックスに入る大きさにカットしているのでジャストフィットです。
ボックスはタバコの箱より少し小さめですが.....。バイクに取り付けるには少し大きい感じです。







外部の配線をまとめて外に出します。結束バンドでケーブルの抜け防止、引っ張り防止をして後は蓋をするだけです。
蓋でケーブルを少し押さえ込むので、基盤は全く固定せずにボックスの中に入れただけです。

防水ですか?

何時ものビニテで蓋と配線とケーブル出口を巻いて終わりです。










ここからハーネスのコネクタ変更の準備です。
今作ったブツにもコネクタを付ける必要がありますから。

まずはノーマルの現物を確認します。当然配線図を見ながら色と機能を確認しておきます。ここに書いたのは左スイッチボックスより出ているケーブル側の配線です。 ハーネス側はこの反対になるので注が必要です。

配線図には橙色の配線はハーネス側には存在するのですが、スイッチボックスには配線が繋がっていませんでした。パッシングボタンを押すと黄/白と、黄と導通があるので パッシング用に間違いはありません。
逆車には色々なバージョンがあるのでしょうね!!







コネクタは110型の9極を使用予定なので、3×3列で新たな配線位置を決めます。
ただ順番に並び替えただけですが、結構スマートな配列になったような。

水色のウィンカーリレーよりの線は本来なら、0V、12Vとチカチカと変化するのですが、今回はウィンカーリレーを外してしまうのでここはキーをONにすると12V がきます。この12Vで内部のPIC動作や、各ウィンカーの点灯用の電源供給元となります。







ハーネスとスイッチボックスのコネクタに割り込むのはウィンカー関係だけです。ライト、ホーン関連はそのまま接続です。
ちなみに、車体側のウィンカーハーネスにリア用のウィンカーの配線を接続すれば、フロント用の新たな配線をしなくてもウィンカーは点滅します。当然メーター内の インジケータもピッカ、ピッカ。
  ※紫色の部分が追加の部分です。







さて、コネクタの変換作業です。コネクタは右ウィンカー部分にあり、アンダーカウルを外さないとアクセスできません。黄色のコネクタが左スイッチボックス用で今回 触る部分です。同じ場所に黒いコネクタがありますが、これは右のスイッチボックス用です。

コネクタの形状は残念ですが市販では見たことが無いです。これは仕方ないので良いのですが、スイッチボックス側がオスで、ハーネス側がメスです。これくらいの事は ノーマルに準じて新たなコネクタを取り付けます。

 





興味で中のピン(コンタクト)を外して見ましたが、やはり錆びが発生してます。一度接点クリーナーと歯間ブラシで掃除したのですが。

 





今後の参考の為に寸法を測って見ました。横だけですが...







新たに取り付ける、110型の9極コネクタです。コンタクトも9セットしかないのです。







世紀の一瞬です。ノーマルハーネスカット!!
後でも使えるように1cmほど残してカットしてます。(小心者ですから)
オスメスのコンタクトを間違わないようにカシメます。

 





コネクタに対となる配線を1本ずつカット、カシメをします。一度に片側だけすると誤配線の元ですから。







配線図の絵を描いた後にブツ側にはすでにコネクタを取り付けていました。







一応、オスメスの確認とピン位置の再確認です。







オス、メスと順番にカシメてたはずなのですが、メスのコネクタにオスのコンタクトをカシメてしまいました。
思いっきりミスですが、コンタクトの余分は購入品にはないのです。ダメ元で工具箱を見てみると、110型の9極コネクタセットが2,3個出てきました。
コンタクトがあったのでラッキーでしたが、何時購入したのか不明???たまには工具(パーツ)箱の整理も必要ですね。







全数カシメ完了し接続です。本来ならここから再度配線のチェックをした方が良いのですが、このままキースイッチONです。ライト、ウィンカー動作はOKです。 もし配線が間違っていたら、ヒューズが切れるか、何かが燃えるか??の二者択一かもしれません。







ついでに作ったブツを取り付けます。この状態で、グランド線のみ接続すればウィンカーは正常に動作するはずです。ここでも、確認もせずにキースイッチON。
この時点でくさい匂いがしないのでたぶん大丈夫。ウィンカースイッチを操作するとちゃんと前後共に点灯します。これでブツの動作も80%はちゃんと動作してます。







バラバラになった配線、ブツ側の配線にハーネステープを巻いてそれらしくしておきます。
で、新たなコネクタは元の位置にぶら下げて置きます。ノーマルのコネクタはカウルフレームに固定出来るような構造ですが、市販品ではこんな構造にはなっていないので、 そのままです。







話が前後しますが、ブツの動作確認をする前にウィンカーリレーを外して、直結します。
この黒い箱がウィンカーリレーもどきです。リアのウィンカーがLEDに変更しているのでノーマルのリレーではハイフラになるので、ICタイプのリレーを取り付けています。







ウィンカーリレーもどきをコネクタで外し、外したコネクタに直結したコネクタを差し込めば終わりです。(ハーネス側にね)
写真ではウィンカーリレーの方にも直結コネクタを付けていますが、これはウィンカーリレーが落っこちてなくならないようにする事と、コネクタの接点が錆びるのを防ぐ為に ダミーコネクタをさしているのです。



もし、自作のブツが壊れてもコネクタを2箇所?ぎ変えることで元のウィンカーに戻ります。完全手動式のセーフティー構造です。





ブツが大きくて何処に置こうか迷ってます。







残りの配線、フロントウィンカーにダイレクトに接続します。
ウグイス色は右ウィンカーの+側の配線です。これを外して、ブツから出ているFRの線をキボシで接続します。







最初は金色のキボシで接続しようと合わせてみたらスカスカです。手持ちのパーツの中にシルバーのキボシが有ったので試しに合わせてみるとジャストフィットです。
以前何かで見た記憶が。”ノーマルのキボシには少し小さ目がある”らしい。まさしくこれでは。たまたま手持ちにシルバーのキボシが3個有ったので左右のウィンカーへの 接続は無事完了。

 





作業終了後、試走も兼ねてキボシ探しへ。少しマニアックな形をしているので、いつものストレートへ。残念ながら金色タイプしかありません。話をして他の 工具屋さんを教えてもらい言ってみると、同じく金のキボシタイプ。ダメもとでDS2輪館へ。

全く同じ形のキボシが普通に売ってました。ちょっと拍子抜けですが、1セット(30個入り)を今後の為に御購入です。







最後は、今回のメインでもあるハザードスイッチです。
出来れば防水型が良かったのですが、一般には出回っていないのか電気屋さん、パーツ屋さん全くありません。で、一般的な非防水のスイッチを。ハザード用だけあってやはり 色は赤色です。
取り付ける場所はハンドルから手を離さなくても操作できる事。簡単に操作できる場所。と、考えた結果がここです。
そんなには違和感が無いようで、操作性も良いはずです。







アルミ板をチョキチョキしてステーを作ります。まだ大まかなラインですが感じを見るために仮付けです。チョークレバーにも干渉しないし、操作性良い感じです。

 





ある程度削って見栄えを。強度も関係するので少し大きめにして、つや消しブラックを塗って完成です。
塗装が乾くまで暇だったので、スイッチにお絵かきを。プラモ用の塗料でハザードの三角マークを。フリーハンドなので歪んでますが。一応剥げ防止に上にクリアを吹いています。







最後はブツの設置場所です。最初はライトステー横側に固定していたのですが、ハンドルを左に切るとブレーキレバーとブツがあたり勝手にブレーキが.....。
で、最終的にライトの上側に。前から見えるのが少しかっこ悪いですが。ここしかないんです。

ちなみに、ブツの横にLEDが6発ありますが、スクリーンにブルーの光を当てると綺麗に光ってくれるかと思い取り付けたのですが、全く意味がありませんでした。

 





今回の配線と、過去の配線でぐちゃぐちゃです。すでに使用していない配線もあるのですが......何の配線なのか不明です。
ここを綺麗にするのも今後の課題です。








今回のブツの特徴(その3でも書きましたが)
1.ウィンカーランプ4個を個別にPICで制御している。ウィンカーは電球(ランプ)、LED共に使用可能。
2.ポジション機能付き。ポジションの明るさ変更可能。ロータリースイッチにて、消灯、10%〜90%まで10%刻みで。
   (ウィンカーが電球の場合、30%以下でないとウィンカーが熱でトロトロになる可能があります)
3.ポジションはキーをONにしても点灯はしない。一度ウィンカー操作をするとその後ポジションが点灯する。
4.ウィンカーを出している時は、ポジションは消灯する。(車検対応)
5.ウィンカーを戻しポジションが点灯する時は、じわーっと指定の明るさまで光る。(ただの演出です)
6.ウィンカーの速さは変更不可。S/Wを触る必要あり。
7.ハザード機能付き。別付けのスイッチ(ラッチタイプ)でのON/OFF。もしくは、左右のウィンカースイッチをONにする。
(カワサキのバイクのスイッチボックス(ハザードスイッチ)はこのタイプのはずですよ。たぶん。
8.ウィンカー、ポジション、ハザード機能は全てキースイッチONで動作。OFFにすると全て消える。ライトとも連動はしていない。


今後の課題(やるやらないは別の話と言うことで)
1.ポジションの明るさを変更するロータリースイッチを使用せずに、ウィンカースイッチの操作で明るさの設定が出来るように。
   (ロータリースイッチは振動により接触不良が発生する可能があるため)
2.ハザードの起動を市販のハザードユニットのように、ウィンカースイッチを左→右→左などの操作でもハザードが出るように。
   (ただの願望)

かな!!

一応、Ver1.0の完成です。





以上の事を踏まえて、動画でもどうぞ。(音がなりますので音量に注意してください)










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