2.FRP製作に必要な物





1.ポリエステル樹脂

ポリエステル樹脂は、FRPの要となる物でガラス繊維に染みこませ
FRPを作ります。このポリエステル樹脂には2種類あります。
@パラフィン入り(インパラ) Aパラフィンなし(ノンパラ)
このパラフィンとは、成分はよくわかりませんが、ワックスの様な油分
だそうです。この油分のおかげでポリエステル樹脂がベタベタしなくなります
そのからくりは、インパラの場合ポリエステル樹脂よりパラフィンが表面に
浮かび出て、ポリエステル樹脂をパラフィンで遮断するの、
出来上がりはサラサラです。
一方、ノンパラの場合は硬化後もベタベタ感が残ります。粗めのペーパーで
表面を削ってもベタベタは多少はあります。
使い方としては、数枚ガラス繊維を積み重ねる場合は
最初はノンパラを使用し、最後にインパラを使用します。
理由は、インパラの場合は表面に油分が浮かんでくるので、
二層目、三層目の積み重ねではがれる可能性があるので、
インパラは最後にだけ使用します。
ちなみに、パラフィンのみも販売されています。
使用したことはないですが、ノンパラにパラフィンを規程量
いれれば、インパラ樹脂に早変わりする物です。
また、樹脂には使用期間(以外と短く3ヶ月程度かな?)がある事と
夏用、冬用の2種留あるそうです。これは硬化時間に違いがあるそうです。

2.ゲルコート

成分はよくわかりませんがFRP製品の表面を覆う塗装みたいな物です。
堅さはすごく堅いらしく、きれいに仕上げればゲルコートのみ(未塗装)
でも製品として扱えます。
ゲルコートは通常の塗装などとは異なり、空気に触れている面は
いつまでも硬化が遅くなります。1,2時間待って...と、よく聞きますが、
表面が柔らかい場合は1日待つ事もあります。
このゲルコートにもパラフィン入り(トップコート)が販売されていますが、
こちらは使用用途が異なり、通常であれば使用することは無いでしょう。

3.硬化剤

東○ハンズではパーメリック等とよばれ、種類もたくさんあります。
店員さんの話ではパーメリックと書いてある製品はすべて同じ物で
容量が違うだけだそうです。(本当かな??)
まあ、この硬化剤で、ポリエステル樹脂、ゲルコートが硬化を
はじめます。と言うことは、硬化剤がなければ絶対に固まらない
と言うことです。しかし、入れ過ぎには注意しましょう。
硬化剤を入れすぎた場合は、作業中に硬化が始まりハケ塗り途中で
ハケがカチカチに固まったり、最悪は発熱による発火もあるそうです。
僕自身もハケがカチカチに固まったことも、ポリエステル樹脂が
手で持てないほど熱くなったこともあります。
温度と、量をよく守り安全に作業しましょう。
※ゲルコートや樹脂は硬化剤が無くても長期間たてばカチカチに
固まります。(だから使用期間があるのです)
だから、硬化剤は少なめに入れて、作業中に樹脂が固まらないように
した方が作業的には楽です。硬化剤が少なくてもいつかは固まるでしょう。
自分の目安は、樹脂の1%−1ccです。
50gの樹脂に4cc程度入れています。
グラムとccを一緒に計算するのもおかしな話ですが。

4.アセトン

ポリエステル樹脂、ゲルコートが付いたハケなどを洗浄するための
物です。塗装時に使うシンナーみたいな物です。
洗浄と言っても、一度カチカチに硬化したのもはどれだけアセトンで
洗浄しても元には戻らないので、早めに洗浄するようにしましょう。
火気厳禁です。

5.離型材

原型や、雌型などに蓄積したゲルコート、ガラスマットをはがれやすく
するための物です。これがなければ型から、はがれなくなり型やFRP製品を
壊す必要が出てきますので、必ず念入りに作業をします。
通常はブルーワックスを使い塗り込みます。(これは車にワックスを
かける要領です)当然その後ブルーワックスが乾けばふき取ります。
この塗る、ふき取りを数回繰り返します。これは、目に見えない穴などを
潰す事も同時にしてくれるそうです。
次に、PVAと呼ばれる離型材を表面に均一に塗ります。PVAは樹脂や
ゲルコートには接着しない作用があります。
塗り方としては薄く一方方向に塗るらしいですが、最初は絶対に無理です。
なぜかと言うと、その前にワックスをふんだんに塗り込んでいるので
PVAをはじいてしまうのです。
だから僕流では、スポンジを一度水に濡らし絞った物を使い、
薄目に塗り、素こり乾いたらまた塗り足す様ににています。塗りすぎると
反対側にPVAの型がつきますから均一に塗る必要があります。
絶対に無理かも???

6.ガラス繊維(マット)

マットと言うのは通称であり、本当はチョップド・スランド・マットと言います。
ガラス繊維はTOPページにも書きましたが、5〜10μ(1000分の5〜10mm)
の細さよりできており、これを200本集めてやっと木綿糸程度の
太さとなり、スランドとよびます。
このスランドを約50mmに切って上からぱらぱらと落とすことで、
方向性のないガラス繊維ができあがります。
当然接着剤で軽くひっつけるので、すぐにはバラバラにはなりません。
マットにはガラス繊維に方向性が無く、曲面などになじみやすい為
頻繁に使用されます。
マットは1m2あたりの重量で番手が決められています。
1m2あたり300gが#300、450gが#450となり、#1200程度まであるそうです。
普通は#300、#450程度でいいでしょう。

7.ガラス繊維(クロス)

クロスはスランドを織った布です。通常平織りクロスを使用します。
マットに比べガラス繊維がつながっており、規則正しく織り込んであるので
引っ張り強度はマット以上の強度があります。
仕上がり時にクロスの目が見えた方が製品的にはきれいに見えます
しかし、曲面に張り込むのが非常に難しいのが難点であること、
ポリエステル樹脂の染み込みが遅く作業的には困難となります。
曲面になじみやすい織り方に、綾織り、朱子折り、目抜き平織り
などもあります。しかし、東○ハンズ等では売っていないかも??
通常のクロスは、平織りの#120程度で約0.2mm厚となり
素人では十分なものでしょう
クロスをテープ状(幅5cm〜30cm)にした物もあり、周囲の補強など
等にも使用できます。

8.ガラス繊維(サフェースマット)

ゲルコートは強度か強く、傷が付きにくい反面、表面にクラックが
入る事はあります。それを防ぐためにゲルコートの上に
サフェースマット張ることで防ぐ事ができます。
サフェースマットは、スランドを薄く平らに拡げた製品で
種類としては、#10〜#30程度はあります。
東○ハンズにおいてある、FPR成型方法のしおりでは
ゲルコートの上にサフェースマットを張り、その上にマットを張り、
最後にまた、サフェースマットを貼り付ける様に書いてあります。
おそらく、最初と最後にサフェースマットを使うことでガラス繊維が
出てくるのを防ぐ効果があるのでしょう。
僕はめんどくさいので、最後のサフェースマットは使用しません。

9.ロービング

スランドを数十本束ねたひも状のガラス繊維で、適当な長さに切り
角などに貼り付けます。マットのみで角を貼り付けた場合、どうしても
浮きが発生し、強度が低下します。それを防ぐ為に最初に
角にロービング敷き詰め大きなRができるようにします。

10.ロービングクロス

字の如く、ロービングを使用したクロスです。通常のクロスとは違い
ロービングを織り込んでいるので堅く、重く曲面なんて不可能に
近いと思われます。従って通常は使用することは無いのでは
無いでしょうか?しいて言えば車のボンネットなどに使用
できるかも?しかし、引っ張り強度は一番あるので使い方によれば
使えないことも無いのでは??

11.ローラー、ハケ

ローラには大きく分けて2種類あります。
@樹脂塗り込みようローラ。ローラの周囲にウールなどが
巻き付けられており、ウールローラとも言います。
A脱泡ローラ。ローラ自体が鉄のネジの様な物でできており
繊維を貼り付け後の脱泡時に使用します。
必ずしも、ウールローラは必要なくFRP用のハケがあれば十分対応
はできます。(安物のハケは毛が抜け落ちるので製品に入り込んで
しまいます。FRPならまだしも、カーボンともなるとハケの抜け毛が
結構目立ちます。)
少し腰の強いハケを使用し、樹脂の塗り込みもできるし、
ハケをマット面にたたき付ける様にすれば脱泡も可能です。
脱泡ローラーも時間がたてば、カチカチに固まりローラーじゃ
無くなります。この時には、周囲に気を付けて火であぶって
やれば樹脂が燃えて再利用できる事もあります。当然炎がでるので
細心の注意が必要なのと、相手が鉄のように燃えない材質で
無ければダメですから!!

12.計量はかり、カップ、スポイド

硬化剤のところでも書いていますが、2液を混合する場合
重量配分が重要であり、1g単位で測定可能な電子はかり
購入しました。
しかし、FRPコーナーに売られている軽量カップを使うと
メモリが打ってあるのでおおよその量は把握できます。
というより、樹脂自体はおおよそでOKです。たとえ1gで
はかれる秤を使用しても、100gぴったりに取り出すことは
不可能であり、たとえ10g増減してもたいしたことではありません。
一番大事なのは、硬化剤をきちんと計量することです。
1cc間違ったらすぐに発熱硬化が始まり大変な事になります。
最初は計量カップと、1ccの計量ができるスポイドがあれば
十分でしょう。

13.手袋

ポリエステル樹脂はベトベトするので、当然手袋が必要です。
どんな物でのいいのでしょうが、ポリエステル樹脂に解けない
物を選ぶ必要があります。僕はホームセンターで10個組
200円程度の物を使用しています。よく付録で付いてくるような
ちょっと大きなちゃらちゃらしたような物です。
最近では、手術用みたいな手に密着する手袋がホームセンターで
よく見られます。これはすごく便利です!!

14.リューター

FRPの製品、雌型などを作成後、周囲のバリを切り取るのに使用します。
ディスクグラインダー、ジグソーでもいいと、いろいろな本には書いて
ありますが、細かな作業ができないことと、削りしろが大きな事、
音がうるさいことより、リューターを使用します。
リューターを使用する場合は、削り粉が大量に発生するので作業用の
つなぎ等があれば良いでしょう。
また、リューターを使用する場合は、保護メガネ、マスクは絶対条件です。

リューターを使う場合、サンドブラスト用のBOXがあれば便利です。
とは言っても、本物のではなくて、大きめの段ボールに目張りをして、
長めの手袋を着けて、上蓋をビニールシートで囲めば、FRP用の
簡易サンドブラストみたいなBOXが出来ます。
削り粉も周りに飛び散らないし、段ボールが壊れたり汚れたら
即交換でき、簡単、安い、作業しやすい!!
おすすめです

15.温度計

硬化剤を混入する場合は、温度により入れる量が決められているので
温度管理は必要です。安物の温度計でも購入しておきましょう。

16.かくはん棒
こんなん、いりません。割り箸で十分でしょう。
硬化剤を入れた場合、よく混ぜ合わせないと硬化不良を起こします。
そこでかくはん棒が筆世になるのですが、パテなどとは違い樹脂は
結構さらさらしているので、適当な棒で十分です。僕は割り箸を利用
しています。1本で2種類のかくはんが出来経済的です。
パテなどでは、かくはん専用の機材がある様で、船のスクリューみたいな
物を作り、ドリルにかませてぐるぐる回すらしいです。
このときにスクリューの方向(対流方向)は必ず上から下に向かって
流れるようにしないと、間違えると全部吹き出してしまいますよ。





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