PICでウィンカー(ハザード、ポジション付き)(その2)



テスト回路を作ってから少し時間がかかってしまいましたが.....。
まだ、製作途中なんです。


テスト回路では、PICのS/Wを作る事を目的としているので、電源は全て5Vで動作させてます。
しかし実車に搭載となると、何もかもが12V(実際には12〜15V程度でしょうか)で動作しています。
PICは入力と、出力は5Vですから、PICに合うように回路を変更する必要があります。

と言うことで変更する回路は、テスト回路のスイッチ部、ウィンカー点灯回路(LEDも、ランプも可能に)です。



まずは、スイッチ部の変更です。
12Vを5Vに変更するのは、分圧回路を使用して電圧を落とします。

分圧回路とは、抵抗を直列に2個接続して、その抵抗間の電圧を取り出すのです。抵抗の値を変更することで任意の電圧を取り出すことが出来るのです。

が、この回路は簡単で良いのですが、入力が変化すれば出力も変化して一定の電圧にならないのが欠点です。



入力電圧は余裕を見て12V〜15Vとします。(私のGSX-Rは通常走行時15Vなので、最高を15Vと) 出力電圧は5Vを超えないようにしますが、最低電圧は3Vと仮定しています。通常のIC等は0.8V以下が”L”で、2.0V以上が”H”等と記載があるのですが、 このPICにはこのデータが無いのです。(見つけれなかっただけかもしれませんが)
で、”H”の最低電圧を3Vと勝手に仮定しています。
で、上の回路にあるような電圧になるようにします。

計算の方法ですが、
R1=400Ω、R2=200Ωとすると、
12V÷(400Ω+200Ω)=0.02A  で、この回路には0.02Aの電流が流れます。
R2の抵抗にかかる電圧を取り出すので、
0.02A×200Ω=4V  で、4Vの電圧が得られます。

この抵抗値で電圧は4Vと許容範囲内ですが、電流値が0.02A流れるのでもう少し電流値を小さくする必要があります。(PICの入力電流がmAレベルなので)

で、候補に上がったのが、以下の2パターンです。

 R1    R2    入力15V時  入力12V時
             出力電圧    出力電圧
15kΩ  7.5kΩ  4.99V     3.99V
15kΩ  6.8kΩ  4.68V     3.74V


どちらでもOKなのですが、少しでも電圧が高い方をと、R1=15kΩ、R2=7.5kΩを選択。

机上では良い値になったのですが、机上と実際の電圧を確認する為に実験を。
実験時の電源は15Vが手持ちに無いので、13.62Vを基準に確認します。

 R1    R2    机上計算値  実測値
15kΩ  7.5kΩ  4.54V    4.52V
15kΩ  6.8kΩ  4.25V    4.23V


机上の計算値に比べ実測値が少し小さな値となりましたが、テスターの精度を考えると十分ピッタリな値です。
これで、スイッチ入力回路はOKです。

回路図はこんな感じです。


※スイッチ入力は以前は”L”入力で有意でしたが、今回は”H”入力で有意となります。






次は、ウィンカー点灯回路です。

FET(電界効果トランジスタ)を使用して5Vで、12Vをスイッチングしてウィンカーを点灯させます。が、大雑把な事しか解りません。
これからは、webを駆使して情報をgetします。

PICでウィンカーを点滅させるサイトに回路図が載っていたのでそのままパクリます。
概要は、PICの出力をトランジスタ(2SC1815)を通してFET(2SJ492)を駆動させ、12Vを出力させる方法です。
トランジスタ(2SC1815)は一般的な物なので手持ちがありますが、FETは高価で使用用途に使い分けがあるので都度購入する必要があるのです。しかも、 部品屋さんに有るか無いかは行ってみないと解りません。通販を利用しても良いのですが、なぜか毎回、日本橋まで購入しに行きます。ガソリン、高速代を考えると 通販と変らないかもしれませんが......。

で、お目当てのFET(2SJ492)を探すが扱っていませんでした。まあ、ここまでは想定内です。代用できる????FETを2,3個考えていましたので、 2SJ334を購入です。   (が、2SJ492の代用できるかどうか、はっきり言って解りません。データシートを見て似てるような気がするなって感じだけで 購入してますので、みなさん御間違えのないように!!)

で、パクッた図面の通りにまずは接続していきます。当然、本当のウィンカーを接続してランプが点灯する事を確認します。


テストボードのLEDは点灯するが、ウィンカーは全く点灯しません。だんだんFETが熱くなるので、FETの周辺の抵抗をとっかえひっかえ色々な抵抗値で試してやっと、 ウィンカーの点灯まではOKに!!。

しかし、ポジションとしての点灯ができません。全開で光るか、全く光らないか。せっかくのロータリースイッチで明るさを変更できるようにしているのに全く動作してくれ ません。



またまたwebで回路図を探します。
そう簡単には自分が思っている回路には辿りつけません。

回路図が無い(解らない)ので、FETやトランジスタについて図書館でも調べてみます。が、全くダメです。

唯一、トランジスタ(2SC1815)のスイッチングの周波数(トランジェント周波数)が80MHzらしく、データシートには低周波電圧増幅用と記載があります。
が、webでは話半分とも言われており40MHz程度までか。40MHzとすれば、0.000000025秒=0.025μsまでの動作には追従できるはず。

PICは10MHzのクロックで動作させているので、1クロック:0.1μsとなり、一つの命令で短い物は1サイクル(4クロック)になるので、0.4μs。この命令数個で PWM制御しているので、大雑把にみても4μs毎にON/OFFしている。はず。です。

と、言うことでトランジスタ(2SC1815)はPWM周波数に対応可能だぞ。FET(2SJ334)も以前PWM制御で使用した事があるので大丈夫!!


なぜ?????


トランジスタやFETの動作のさせ方や、データシートの見方も解らない!!
またもや、webで情報収集です。

で、色々な回路図を見ながら、カット&トライで思い通りの動作が出来るように出来ました。(PWM周期を10倍遅くしてますが、見た目には全く違いはありません)


で、やっと出来上がった回路図です。トランジスタやFETの発熱も無いのでおそらくOKでしょう??
※もし、おかしな箇所があればmailでも連絡ください。




ソースはスイッチ入力の反転、PWMの周期などを少し触ったので最新版は、ここです。





ブレッドボードに組んだ回路です。
基本は前回組んだのと同じですが、スイッチはハザード用を省略して左右の2つで、実際のウィンカーはフロント左、LEDが左よりフロント右、リア左、リア右。

 
※ウィンカーの後ろに65.3と表示されているのは、前回作成した温度計のテスト用です。訳あって表示が左右で逆になっています。65.3=>35.6度を示してます。 ポジションを点灯させるとだいたい40度以上に上がります。ポジションの明るさはロータリースイッチ3(約30%の明るさ)です。










ポジションOFFで、左右のウィンカーを点滅させて、ポジションを0から5まで回し3まで戻した状態で、左右のウィンカーを点滅です。
ウィンカーの後ろの温度計も変化してます。





<<その1   その3>>

[HOME] [電子工作 TOP]