フロントフォーク オーバーホール その2 (組み立て) (GSX400S)
2012.10.08
作業も、更新が遅れてます。
部品は順調に揃っているのに......
さぁ、組み立てましょう!!
要交換部品は全て新品に交換します。フォークの部品以外も入っているので、ちょっと多めに見えてます。

フォークオイルは最後まで悩んでました。
純正はショーワのSS8号を526ccとなっているのですが、まずバイク用品ではほとんど売っていません。で、販売単位は500cc単位で販売されているので、
3本必要で3本目はほとんど余るようになります。
で、オイル粘度の一覧を見ると、カヤバのG10SがSS8とほぼ同じで、販売単位も600ccです。カヤバなら探せば用品店でも売っている場所もあるので、カヤバを購入しました。

フォークのトップボルトが結構アルミ錆が出てて見苦しいのです。で、新品を購入すると結構良い値段になるので、少し奮発してイニシャル調整用のトップボルトを購入。
さらに奮発して、ステムボルトも買ってしまいました。

インナーチューブは結構点錆が発生してたので、気合で無くなるように頑張りました。
曲がりも測定して、ほとんど無い状態でしたので、再利用可能です。

インナーチューブってただのパイプのように見えるんですが、下の方は結構複雑な形をしてるんですね。

アウターチューブは純正と同じ色に塗るのは難しいので、簡単な黒つや有りにしました。
自分でやっても良かったのですが、やっぱり青空整備に塗装ブースは無いし、結構メインなパーツなので
パウダーコーティング・カトーさんにお願いしました。
当然、パウダーコーティングをしてもらってます。綺麗な仕上がりです。文句のつけようが有りません。

パウダーコーティング・カトーさんに依頼する前に、webで調べて良く出てくる場所にパウダーコーティングを依頼したのですが、出来上がりを見てびっくり。
良くこんな物でお金が取れるな。俺が青空整備で塗った方が綺麗なんじゃないか。塗装前に全体にブラストした後に塗るって言っていたのに、全くブラストされていない。
こんな感じでした。
この後で、パウダーコーティング・カトーさんに相談し、最塗装してもらったのです。
アウターをパウダーコーティングする時に同じ色で、フェンダーブレースも塗ってもらいました。
パウダーコーティングって、厚めに塗るような感じがあったのですが、フェンダーブレースの前方を示す三角マークも消えずに残ってます。

では、フォークの組み立てに入りましょう。まずはノーマルの部品ですが、放置期間が長かったので一応清掃しておきます。

ガイドブッシュの新旧です。 左:旧 右:新

左:旧、右:新ですが、内側のねずみ色の部分はへたりや、磨耗などほとんど見えません。って、事はまだまだ使えるって事ですよね。

スライドブッシュ(左:旧、右:新)ですが、これもまたへたりは無いようです。

スプリングの使用限界が367.1mmなので、まだ約1cmは余裕があるので、これはそのまま使用します。

サービスマニュアルでは、スライドブッシュを取付けるのが組み立ての一番目だそうで。

で、2番目にはロックピースが....まで飛んでいるので、その間をちまちまと。
オイルシリンダの上に付く、リング?。これって樹脂製らしいです。
左:旧、右:新なのですが、これもまた磨耗はしていないのでしょうが、新品交換してます。

リング以外は全て古いパーツを使ってます。

オイルシリンダをインナーチューブに入れて、先端にオイルロックピースを被せます。

この状態のままだと、オイルシリンダがグラグラして、オイルロックピースが落っこちそうなので、インナーチューブにスプリング、スペーサを入れて蓋を閉めます。これで、オイルシリンダ
はスプリングで押されているので安定するので、次の作業が楽になります。


次はインナーをアウターに入れるのですが、スライドブッシュには何も付けてません(サビマにも指示なし)。アウターと接触する部分なのでとりあえず、フォークオイルを付けておきます。

で、アウターとインナーが合体!!この時、オイルロックピースを落っことさないように気を付けましょう。

アウターとインナーを固定する為にネジ止めします。ネジ、ガスケットは新品を使用して、ネジロック指示されているので、こんな感じで

インパクトの先にネジをセットして、スイッチ.....オーーーーーン。
トルク管理も全く関係無しです。私は。全てインパクトの強さにお任せです。

ガイドブッシュとスペーサを入れるんですが......
この時点では、インナーチューブはオイルまみれ状態にして、インナーのメッキに傷が付かないように気を使いましょう。
インナーがオイルまみれと言う事は、その写真を撮っているカメラにもオイルが.....

良く見る、圧入工具ですね。これと、水道パイプを4つに割った物を使います。
これらもオイルまみれにして使いましょう。

もうガイドブッシュは綺麗に入ってますね。入れ方は写真右にあるように、水道パイプをガイドブッシュとスペーサに当てておいて、上から勢い良くスライド重りでどつきます。
水道パイプは4分割されているので、太目の輪ゴムで縛っておけば作業は楽になります。

次はオイルシールですが、まず表裏、上下を確認します。カタナの場合はこの方向が上(表)になります。2つくぼみがあり、何やら文字が見える方です。

ちなみに下側(裏)は一周溝があるだけです。

向きに気を付けて、インナーチューブに入れます。この時、インナーの先端でオイルシールに傷が付かないようにラップして入れます。

先ほどの水道パイプは使わずに、一緒に入ってるアダプターを使用してオイルシールを入れます。
オイルシールが入ったかどうかは、次に入れるストッパーが入る溝がアウターの内側にあるので、その溝が全部見えればOKです。

ストッパーリングを入れます。ちゃんと溝にはまる事を確認します。

良くここ部分に水が入りリングや、オイルシールの金属部分が錆びると言う記事を見る事があるので、念のためシリコングリスを塗って見ました。
効果があるかどうかは、全く不明です。

最後にダストシールを入れます。これは、圧入が無いので指で押し込んで入れて終りです。


今回、新品にしたパーツです。

フォークオイルを入れますが、オイル量ではなくて、油面で確認します。オイル量って、なんだかアバウトな感じがするし、軽量カップも必要になるし。
油面確認だと、写真のように15cmの定規があれば簡単に確認が出来るので。

イニシャルアジャスター付きのトップボルトです。
ネジの部分はノーマルと同じ長さなので、その下にある円盤までの長さが変化してイニシャルをかけます。

イニシャルを最弱にしても約1cmは圧縮されてます。(写真:左) で、イニシャルの調整はライン1本目から4本目までになっているので、調整範囲も約1cmとなります。
ノーマルに対して、+1cmから+2cmの範囲で調整が出来る事になります。まあ、する/しないはまた別の話ですが......

新品のOリングを付けて

スプリングなどを入れて蓋を閉めれば、作業は完了です。
写真を撮る時は、入れる順番を間違えてまして、正式には、1.スプリング 2.ワッシャー 3.スペーサ 4.トップボルトの順番ですので注意してください。
イニシャルアジャスターにもスペーサは付属されているのですが、長さはノーマルのスペーサーと全く同じ長さです。ですので、どちらを使用しても良いのかなと思います。

トップボルトはまだ完全には閉めることは出来ませんが、オイルが漏れない程度までは締め込む事が出来ます。最終的には、車体に付けた時に締め込みますので、忘れないようにしましょう

完成です。


あとは、車体への取り付けと、ブレーキディスク関係、ウィンカー関係、キャブ関係(これが結構大変だぞ)くらいが残ってます。
<<フロントフォーク オーバーホール その1 (分解) フロントフォーク オーバーホール その3 (取り付け)>>
[HOME] [KATANA TOP]